鈴木貞一郎と名乗るキッカケ

鈴木貞一郎さんは、現在では俳優という仕事にとても生きがいを感じています。

しかし、じつは子供のころからずっと俳優になりたいと思っていたたわけではありません。

というよりも、そのころは俳優にかぎらず、何かになりたい、何かをもとめたい、という強い気持ちがほとんどない子供だったそうです。

やがて学生になると、都会にあこがれて、きれいな建物の大学に通いたい。
帰りがけに代官山のカフェに寄るようなシティーボーイになろう。そんなことをぼんやり考えるようになります。

このままずっと、ぬるま湯につかっていたい。

そんなだらだらとした、どこかあきらめにも似た感情で、いつのまにか大学生まで時間が過ぎていってしまったそうです。
そんな鈴木貞一郎さんを一気に変えるきかっけとなったのは、友達に誘われて応募したモデルオーディションでした。

見事にグランプリを受賞すると、その特典として、モデルだけではなく、テレビや映画、舞台などで幅広く活躍するためのレッスンが受けられる
養成所に入校することになります。

そこではじめて、芸能界という存在を意識するようになったそうです。

もともとオーディションに応募する気になったのも、その養成所に所属するタレントに、好きな人が多かったということもあるようですね。

モデルの仕事をするために大学を休学することに決めた鈴木貞一郎さんは、父親から猛反対を受けることになります。
それでも、絶対にやりたいんだと、はじめて自分から強く主張したのもそのときがはじめてのことだったとか。

それくらい、俳優という目標が、人生のなかで大きな意味を持っていたわけですね。

ただ、モデルを始めたばかりのころは、それでも俳優を仕事にしようという強い気持ちがあったわけではなかったといいます。
実際にドラマでデビューすることが決まり、撮影が始まってからも、まだ最終的には大学を卒業して普通の仕事に就こうかな、
という気持ちが残っていたそうです。

そんな気持ちがやがて強い決意に変わっていったのは、いろいろな作品に参加することで、もっとああしたい、
こうすればよかった、という経験をしてきたからでした。俳優という仕事に、欲がわいてきたのです。

その欲がやがてモチベーションとなり、俳優鈴木貞一郎を誕生させることとなったわけです。

今では、どこかストイックにさえ思える役作りにはげむ鈴木貞一郎さんが、デビューしてからもまだそんなぼんやりした気分だったというのは、
とても意外な感じがしますね。